Research

研究最前線

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研究成果は学生たちの努力の賜物です。

担当してくれた学生からの声をお届けします。

Three-step click assembly using trivalent platforms bearing azido, ethynyl, and fluorosulfonyl groups

T. Yasuda, G. Orimoto, S. Yoshida*

Chem. Commun., 2025, 61, 2333.

https://doi.org/10.1039/D4CC06585A

クリックケミストリーは、「なんでも好きなものをくっつけたい」を実現できる画期的な手法です。2022年にノーベル化学賞の対象にもなりました。今では2分子の確実な連結手法として材料化学、ケミカルバイオロジーなど幅広い分野で当たり前の技術になっています。このように聞くと、クリック反応を使えば、レゴブロックのように自由に分子をデザインできるように思えますが、実際にはまだ課題が多く残っています。例えばクリック反応同士の区別が難しいことから、複数回の連続したクリック反応は容易ではありません。

今回私たちは、3つのパーツを自在に集積できるプラットフォームづくりに取り組みました。そこで、アジドとアルキンという、クリック反応(CuAAC反応)において対になる官能基が分子内に共存しながら、さらにもう一つのクリック反応(SuFEx反応)用官能基であるフッ化スルホニル基を導入した分子を設計しました。ポイントは、アジドとアルキンを上手に使い分けることです。これまでの知見を総動員し、アジドとアルキンの反応性を制御することで、それぞれが別の分子と連結できることを見出しました。そして実際に、3度のクリック反応を連続して行い、3つのパーツを集積することに成功しました。最終的に、ケミカルバイオロジーの分野で有用なHaloTagと結合する部位、ビオチンタグ、蛍光分子を集積した多機能性分子の簡便合成にも成功しました。今後は、このように多機能性分子の簡便な合成法としての利用が期待されます。

研究の立ち位置と成果の概要

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苦労した点

研究の核となるプラットフォーム分子の合成に苦労しました。オリジナルの分子ですので、まず紙に設計図を書くところから始まります。作った分子は出発原料から6~9工程の合成で、初めはフラスコにたっぷり入っていた原料が、工程が進むにつれ段々と目に見えないほどの量になってしまうため、何度も前の工程に戻って作り足すのが大変でした。

安田 貴裕 さん (修士課程2年生(2025年)) [左が安田さん]