有機化学の

可能性を

拡げよう

ライフサイエンスを加速する

技術開発を目指し、

有機合成化学に関する

研究に取り組んでいます。

特に、多彩な元素の特性を

活かした独自のアプローチで

新手法を開発しています。

2025/8/16

トップページを更新しました。

News

私たちの研究成果が Chemical Communications 誌に掲載されました!

Facile Synthesis of Dibenzothiophene S-Oxides from Sulfinate Esters

Y. Kumagai, A. Kobayashi, K. Nakamura, S. Yoshida*

Chem. Commun. 2024, 60, 1611.

https://doi.org/10.1039/D3CC05703H

スルホキシド部位を幅広い用途で利用できることから、ジベンゾチオフェンオキシドが有機合成化学・ケミカルバイオロジーなどにおいて注目を集めています。これに対して、今回私たちは、ブロモ基での選択的クロスカップリングとスルフィン酸エステルの活性化を経る環化反応によって多置換ジベンゾチオフェンオキシドを幅広く合成できることを明らかにしました。本手法では、ジベンゾチオフェンの酸化によって合成する従来法と比較して、本手法では、反応性に富んだ官能基を損なわずに骨格構築できる点が特長です。実際に、アライン発生部位として有用なo-シリルアリールトリフラート部位を有するジベンゾチオフェンオキシドの合成を達成できています。多置換ベンゾチオフェンオキシドを利用した応用研究などに現在取り組んでいます。

私たちの研究成果が Chemical Communications 誌に掲載されました!

Highly substituted benzo[b]furan synthesis through substituent migration

A. Kobayashi, S. Tabata, S. Yoshida*

Chem. Commun. 2024, 60, 4545. (Selected as ChemComm HOT Articles)

https://doi.org/10.1039/D3CC05703H

カチオン性中間体における転位を経た変換は、多数の置換基が密集した芳香族化合物を合成する稀有な手法として古くから注目されてきました。今回私たちは、ベンゼン環上の置換基の転位を経た多置換ベンゾフラン合成法を開発しました。最近開発した、アルキニルスルホキシドとフェノールを用いるベンゾフラン合成法に関して詳細に検討する中、オルト位に置換基を有するフェノールを用いたとき、ベンゼン環上の置換基の転位を経てベンゾフラン環が形成されることを見いだしました。この奇妙な変換を利用することで、五置換ベンゾフランを幅広く合成できます。さらに、2,3,5,6-テトラメチルフェノールを用いた場合には、置換基の2度の転位を経て、六置換ベンゾフランの合成にも成功しました。

私たちの研究成果が Organic Letters 誌に掲載されました!

Bromothiolation of Arynes for the Synthesis of 2-Bromobenzenethiol Equivalents

S. Tabata, S. Yoshida*

Org. Lett. 2024, 26, 3816.

https://doi.org/10.1021/acs.orglett.4c00944

オルト位にブロモ基を有するベンゼンチオール類は、縮環型の含硫黄骨格を形成するために重要な化合物群ですが、幅広い官能基を有するo-ブロモベンゼンチオール類の合成は困難です。これに対して今回私たちは、アライン中間体にチオ基とブロモ基を一挙に導入できる反応を見いだし、オルト位にブロモ基を有するベンゼンチオール等価体を簡便合成できることを明らかにしました。具体的には、キサントゲン酸カリウムとブロモペンタフルオロベンゼン存在下、o-シリルアリールトリフラートにフッ化物イオンを作用させると、o-ブロモベンゼンチオール等価体の効率的な合成に成功しました。得られたベンゼンチオール等価体は、空気にも安定で、悪臭を伴わずにその後の合成に利用できる点が特徴です。実際に、本手法を利用することで、フェノチアジンやチアントレン類の合成に成功しています。

私たちの研究成果が Chemical Communications 誌に掲載されました!

Iterative click reactions using trivalent platforms for sequential molecular assembly

G. Orimoto, S. Yoshida*

Chem. Commun. 2024, 60, 4545.

https://doi.org/10.1039/D4CC01177E

信頼できる連結法を反復して分子鎖伸長する手法は、中分子量の生物活性化合物等の開発を支える重要な技術です。今回私たちは、クリック反応に利用できる3種類の官能基を併せ持ったプラットフォーム分子に対して、3種のクリック反応によって、部品(モジュール)となる広範な分子を集積できることを明らかにしました。このとき、どの反応も極めて官能基許容性・化学選択性高く進行する点が特徴です。さらに、適切なリンカーを用いることで、3種類のクリック反応の反復に成功し、高効率で分子鎖を伸長できることを明らかにしました。実際に、分子量1000を超える化合物であっても、入手・合成容易なモジュールの連結反応を繰り返すだけで簡便合成できることを明らかにできています。

私たちの研究成果が Chemical Communications 誌に掲載されました!

Click assembly through selective azaylide formation

M. Hamada, G. Orimoto, S. Yoshida*

Chem. Commun. 2024, 60, 7930.

https://doi.org/10.1039/D4CC02723J

分子を確実に連結するクリック反応を組み合わせ、3成分を効率的に集積する手法が、多機能性分子等の合成において注目されています。今回、私たちや他のグループが以前に開発した「強固なアザイリドを形成する手法」を組み込み、3度のクリック反応を高選択的に進行させる手法の開発に成功しました。具体的には、クロロ基やフルオロ基を有する芳香族アジド基を用いたトリアリールホスフィンとの反応における選択性を精査し、選択的なアザイリド形成を実現できることを明らかにしました。さらに、これら2種のアジド基と末端アルキンを併せ持ったプラットフォーム分子の開発に成功し、これを利用した高効率な3連続クリック反応が進行することを明らかにしました。

私たちの研究成果が Organic Chemistry Frontiers 誌に掲載されました!

Regioselective pyridazine synthesis from tetrazines and alkynyl sulfides

C. Yamamoto, K. Numata, M. Suzuki, S. Yoshida*

Org. Chem. Front. 2024, 11, 6159.

https://doi.org/10.1039/D4QO01286K

ピリダジン類は医農薬等の開発において有用な化合物群です。テトラジンとアルキンとのDiels–Alder反応と引き続く脱窒素を経る合成法は、古典的なピリダジン合成法のひとつですが、基質の構造が選択性に与える影響などに関する詳細な研究は行われていませんでした。これに対して、最近私たちは、テトラジンとアルキンとの反応の化学に改めて注目し、基質のデザイン、反応条件、計算化学等の先進的な知見を備えた研究に取り組んでいます。今回私たちは、硫黄官能基がこの反応の選択性を制御する重要な役割を果たすことを発見しました。硫黄官能基は幅広い変換にも利用できることから、多彩な三置換ピリダジンを合成する手法として役立つと期待されます。

私たちの研究成果が Organic Letters 誌に掲載されました!

Synthesis of Thiaphenanthridinones from Sulfinate Esters and 2-Borylanilines

K. Nakamura, M. Suzuki, S. Yoshida*

Org. Lett. 2024, 26, 9676

https://doi.org/10.1021/acs.orglett.4c03420

三環式の環状アミドのフェナントリジノン類は、医薬品などの開発において注目を集める化合物群です。私たちは、カルボニル基(C=O)をスルホキシド部位(S=O)に置き換えたチアフェナントリジノンが、有望な骨格であるものの合成法に乏しい点に着目し、その新規合成法の開発に取り組みました。最近私たちが開発を進めている、スルフィン酸エステルの化学に基づき、クロスカップリング反応を経た簡便合成法を開発しました。具体的には、オルト位にブロモ基を有するスルフィン酸エステルのブロモ基選択的カップリングが触媒的に効率良く進行し、一挙に環化まで進み、チアフェナントリジノン環を形成できることを見いだしました。合成できたチアフェナントリジノン類を幅広く変換できることも明らかにできました。今後、生物活性をもったチアフェナントリジノン類の開発に研究を展開していけると考えています。

私たちの研究成果が Chemical Communications 誌に掲載されました!

Three-step click assembly using trivalent platforms bearing azido, ethynyl, and fluorosulfonyl groups

T. Yasuda, G. Orimoto, S. Yoshida*

Chem. Commun. 2025, 61, 2333.

https://doi.org/10.1039/d4cc06585a

新しいモダリティの医薬品開発などに関する研究が活発に進められる中、機能性部位を柔軟に連結できる分子の需要が急速に高まってきています。これに対して、今回私たちは、アジド、アルキン、フッ化スルホニル、という3種のクリック反応用官能基を併せ持ったプラットフォーム分子を開発し、これを利用した分子集積法を確立しました。広範な機能性分子を効率的に連結できる手法です。ワンポット合成にも成功しています。適切な条件を選択することで反応順も柔軟に選べるため、分子量1000を超える中分子を連結反応だけで、4種の部品と2種の3分岐プラットフォーム分子から収束的に合成できることも明らかにしました。

私たちの研究成果が Organic Letters 誌に掲載されました!

Thioxanthone Synthesis from Thioureas through Double Aryne Insertion into a Carbon-Sulfur Double Bond

M. Kawada, S. Tabata, Y. Hoshi, S. Yoshida*

Org. Lett. 2025, 27, 827.

(Most read articles (1 month))

https://doi.org/10.1021/acs.orglett.4c04490

医薬品、光触媒などとしてチオキサントン類が重宝されていますが、古典的な合成法に依存しているため、合成できるチオキサントンは限定されます。これに対して、今回私たちは、チオキサントン類を合成できる新しいアライン反応を見つけました。アライン2分子とチオウレア類の反応による環構築と続く加水分解によって、チオキサントン類を一挙に合成できる手法です。この変換は、C=S結合へのアラインの2度の挿入を経る、特異な機構で進行することを詳細な機構解析によって明らかにできました。今回見つけた新しい反応を利用することで、π共役系を大きく拡げたチオキサントン類の合成にも成功しています。

私たちの研究成果が Bulletin of the Chemical Society of Japan 誌に掲載されました!

Synthesis of multisubstituted naphthalenes through consecutive aryne reactions

T. Tanaka, S. Tabata, K. Nakamura, Y. Hazama, Y. Sakata, T. Hosoya, S. Yoshida*

Bull. Chem. Soc. Jpn. 2025, 98, uoaf001.

(Selected Paper (優秀論文)に選定されました!)

https://doi.org/10.1093/bulcsj/uoaf001

ナフタレンなどの多環式芳香族化合物は、有機材料、医薬品などの開発における重要な化合物群です。ただ、多置換体の合成は困難な場合が多く、潜在力を引き出し切れていない骨格とも言えます。今回私たちは、2ヶ所のアライン発生部位を配置したナフトジイン等価体を用いて、逐次的なアライン発生を経た多置換ナフタレン合成法の開発に成功しました。ヨード型、シリル型という2種のアライン発生部位は、活性化剤を変えるだけで、どちらも選択的に変換できます。特に、詳細な検討を進める中、ヨード型のアライン発生部位を利用したとき、アミノシラン類との反応が選択的に進行することを明らかにできました。

私たちの研究成果が Chemical Communications 誌に掲載されました!

Synthesis of α-arylacetophenone derivatives by Grignard reactions and transformations of arynes via C–C bond cleavage

Y. Hoshi, S. Tabata, S. Yoshida*

Chem. Commun. 2025, 61, 3752.

https://doi.org/10.1039/D4CC06769J

α位にアリール基を有するカルボニル化合物は、生物活性化合物などとして重要であるだけでなく、様々な縮環型化合物を合成するための鍵中間体でもあることから、幅広い分野を支える重要な化合物群である。今回私たちは、ターボGrignard試薬を用いて調製した有機マグネシウム反応剤と、ベンゾシクロブテノン類との1,2-付加反応と、引き続く、C–C切断によるアライン発生を経た変換によって、広範なα-アリールケトン類を合成できることを明らかにできました。効率的な変換には、1,2-付加反応における溶媒の選択や、アライン発生時の活性化剤の選択などが重要でした。本反応に用いるベンゾシクロブテノン類は、私たちのが以前に見いだした3-(TfO)アラインを利用した変換で簡便合成できるため、α-アリールケトン類をモジュラー合成できます。本反応を利用して、ベンゾクロメンなどの合成にも成功しました。

・Chem. Commun. 2024, 60, 7930について、

 濱田さんに解説記事を執筆して頂きました。

私たちの研究成果が Chemistry Letters 誌に掲載されました!

Conditional fluorescent changes of azaylides with fluorescent chromophores

M. Hamada, S. Yoshida*

Chem. Lett. 2025, 54, upaf033.

https://doi.org/10.1039/D4CC06769J

これまでに、私たちが開発してきた、電子豊富でかさ高い芳香族アジドとトリフェニルホスフィン類を用いて「強固なアザイリドを形成する手法」が有用なクリック反応であることを明らかにしてきました。今回、形成されるアザイリド部位が蛍光発光特性に与える影響について精査し、中性・塩基性条件下では無蛍光、酸性条件にすると強く蛍光発光する分子の開発に成功しました。具体的には、蛍光団がホスフィンと直接結合しているピレニルホスフィンを用いたときに、形成したアザイリドが無蛍光になることがわかりました。さらに、酸性条件下にしたときには、蛍光団のピレンに由来する青色蛍光を発することを明らかにできました。アザイリド部位の電子状態に由来する、分子内での光誘起電荷移動によってこの現象が引き起こされていると考えられます。

スルフィン酸エステルの合成化学に関するFeature Articleが Chemical Communications誌に掲載されました!

Recent advances in the synthesis and

transformations of sulfinate esters

S. Yoshida*

Chem. Commun. 2025, 61, 5084.

https://doi.org/10.1039/d5cc00797f

スルフィン酸エステル類は、古くから、光学活性スルホキシド合成などにおいて重宝されてきましたが、最新の有機合成化学における価値は決して高いものではありませんでした。これに対して、最近の私たちの研究も含め、スルフィン酸エステル類の効率的合成や、その潜在的な反応性を引き出した反応開発などが行われ、注目を集めるようになってきました。これらについて、最近の進展をまとめています。

「生体適合化学の進歩」

インタラクティブフォーラム

(ABC-InFO) 第1回 講演会の動画

@ YouTube

第34回ケムステVシンポ『日本のクリックケミストリー』

 「典型元素を活用したクリックケミストリーの新展開」



アライン中間体を経るハロゲン化アリール合成に関する総説が Tetrahedron Chem 誌に採択されました!

Recent advances in haloarene synthesis by aryne reactions

S. Tabata, S. Yoshida*

Tetrahedron Chem 2025, in press.

https://doi.org/10.1016/j.tchem.2025.100136

ベンゼン環の一部が三重結合となったアラインは、特異な反応性を示す合成中間体です。特に、遷移金属触媒反応等で重要な各種ハロゲンが損なわれない点は、アラインを経る反応の強みのひとつです。今回、最近報告された、アライン中間体を経るハロゲン化アリール合成についてまとめました。特に、ハロゲンによって選択性が制御されるアライン反応、炭素—ハロゲン結合形成を経るアライン反応、ハロゲンを結合部位とする逐次反応について、2010年以降に報告された変換を概説しました。

2025/4/1, 6/1

トップページ・メンバー・研究成果・写真・

英語ページ等を更新しました。

2023年以前の論文概要のページを作成しました。

私たちの研究成果が Bulletin of the Chemical Society of Japan 誌に採択されました!

Synthesis of Partially Reduced Biaryls from

Thiophene S,S-Dioxides and Styrenes

K. Ohira ,  K. Numata, S. Yoshida*

Bull. Chem. Soc. Jpn. 2025, 98, uoaf052.

(Selected Paper (優秀論文)に選定されました!)

https://doi.org/10.1093/bulcsj/uoaf052

部分的に還元されたビアリール類は、1,3-ジエンなどとしての重要性にもかかわらず、その合成は容易ではありません。これに対して、今回私たちは、チオフェンジオキシドとアルケンとの反応について精査し、幅広い部分還元型ビアリールを効率よく合成できることを明らかにしました。速度論解析や理論計算により、逆電子要請型Diels–Alder反応と引き続く二酸化硫黄の脱離を経て進行する変換であることも明らかにできました。加えて、4つのブロモ基を有する部分還元型ビアリールの変換を検討した結果、塩基の選択により、興味深い選択性での脱臭化水素を経て、芳香族化が進行することもわかりました。

私たちの研究成果が RSC Advances 誌に採択されました!

Selective hydrogenation through phosphazide formation

T. Yasuda, S. Yoshida*

RSC Adv. 2025, 15, 20350.

https://doi.org/10.1039/D5RA02070K

アジド基は、Pd/C等の不均一触媒を用いる水素添加反応において最も還元されやすい官能基のひとつです。に対して、今回私たちは、Amphosでの保護により、水素添加におけるアジド基の還元を抑制できることを見いだしました。このとき、ホスファジド(アジドの保護体)存在下、アルキン、ニトロ、アジド、ブロモなどの還元も進行することを明らかにできています。さらに、芳香族ケトンの還元において、ホスファジドなしではアルカンが得られる一方で、ホスファジド存在下では対応するアルコールが選択的に得られることも分かりました。今回見いだしたこの変換を利用し、アジド基を有する芳香族ケトンを用いて、アジド基を損なうことなく、芳香族ケトンでの還元だけを進行させることにも成功しています。

私たちの研究成果が Bulletin of the Chemical Society of Japan 誌に採択されました!

Sequential assembly via Michael addition of

2-(triazolyl)acrylates

S. Hiromasa, M. Hamada, G. Orimoto, S. Yoshida*

Bull. Chem. Soc. Jpn. 2025, 98, uoaf061.

https://doi.org/10.1093/bulcsj/uoaf061

Michael付加反応は、よく知られた教科書反応です。エノンとチオールの反応などで見られる可逆性は、幅広い応用研究につながります。今回私たちは、2-アジドアクリル酸エステルを用いた逐次反応について検討し、2度の反応が効率的に進行することを明らかにしました。このとき、2-アジドアクリル酸エステルを用いたときにもトリアゾール形成によってMichael受容能が著しく向上することがわかりました。さらに、アミンを用いたときにMichael付加反応が進行するとともに、シリカゲル等の存在下でレトロ-Michael反応が進行することを見いだしました。