有機化学の
可能性を
拡げよう
ライフサイエンスを加速する
技術開発を目指し、
有機合成化学に関する
研究に取り組んでいます。
特に、多彩な元素の特性を
活かした独自のアプローチで
新手法を開発しています。
吉田研 立ち上げ!
2021. 4. 1

D1 小林 瑛宏 くん が
東医歯大 院生命理工において
The Best Biomedical
Research Award
(修士課程最優秀賞)を
受賞しました!

M2 鈴木 美之里 さん が
東医歯大 生材研において
19th IBB BioFuture Research
Encouragement Prize
修士課程の部 優秀賞を受賞しました!









2023/2/11
トップページを更新しました。
News
2022/4/26, 6/11, 8/12, 11/18, 2023/1/4, 1/17, 2/9
トップページ・メンバー・研究成果を更新しました。
私たちの研究成果が Organic Letters 誌に掲載されました!

Palladium-Catalyzed Sulfinylation of Aryl- and Alkenylborons with Sulfinate Esters
M. Suzuki, K. Kanemoto, Y. Nakamura, T. Hosoya, S. Yoshida*
Org. Lett. 2021, 23, 3793.
スルホキシド類は、生物活性化合物や合成中間体として重要です。ただ、スルフィドの酸化による古典的な手法では、合成できるスルホキシドに制限がありました。
これに対して、今回、スルフィン酸エステルとボロン酸との、パラジウム触媒を用いたクロスカップリング反応の開発に成功しました。本手法における官能基許容性は高く、ヒドロキシ基、メチルチオ基といった酸化で損なわれやすい官能基を有する幅広いスルホキシドを合成できました。さらに、ブロモ基での鈴木ー宮浦カップリング反応とスルフィン酸エステル部位での本反応を組み合わせた逐次カップリング反応や、合成したスルホキシドのアラインとの反応との組み合わせによる高度に官能基化されたスルフィドの合成にも成功しています。

私たちの研究成果が Chemical Communications誌に掲載されました!
Nucleophilic transformations of azido-containing carbonyl compounds via protection of azido group
T. Aimi, T. Meguro, A. Kobayashi, T. Hosoya,* S. Yoshida*
Chem. Commun. 2021, 57, 6062.
アジド基は有用な官能基ですが、求核剤などの存在下で簡単に損なわれてしまいます。これに対して、今回私たちは、アジド基保護を利用すると、エステルのLAH還元やカルボニル基でのGrignard反応などを、アジド基を損なうことなく進行させられることを明らかにしました。例えば、アジド基を有するアルデヒドに対して有機マグネシウム反応剤を作用させた場合には、アジド基の還元が厄介な副反応です。その一方で、以前に見いだしたAmphosを利用したアジド基保護を経ることで、アルデヒドでのGrignard反応によって対応するアジド化合物を合成できました。今後も、アジド基保護法に関する研究を発展させていきます。


私たちの研究成果が
Bulletin of the Chemical Society of Japan誌に掲載されました!
Facile Synthetic Methods for Diverse N-Arylphenylalanine Derivatives
via Transformations of Aryne Intermediates and Cross-Coupling Reactions
T. Kobayashi, T. Hosoya, S. Yoshida*
Bull. Chem. Soc. Jpn. 2021, 94, 1823.
N-アリールフェニルアラニン類の合成法は医農薬の開発などにおいて重要です。今回私たちは、以前の速報についての詳報として、
アライン反応とクロスカップリングを組み合わせて用いるN-アリールフェニルアラニン類の合成法を報告します。具体的には、
1) 変換可能な官能基を併せ持ったプラットフォーム合成、
2) アライン反応とクロスカップリング反応の一般性、
3) 生物活性化合物アナログの合成
について、詳細に検討し、幅広いN-アリールフェニルアラニン類の合成に役立つ手法を確立できました。

私たちの研究成果が Chemistry Letters誌に掲載されました!
Thioxanthone Synthesis from Benzoic Acid Esters
through Directed ortho-Lithiation
A. Kobayashi, T. Matsuzawa, T. Hosoya, S. Yoshida*
Chem. Lett. 2021, 50, 1624. [Selected as Editor's Choice (優秀論文)]
チオキサントン類は、生物活性化合物、有機材料、光触媒など、幅広い用途で注目されている化合物群です。今回私たちは、3-ハロ安息香酸エステルを出発原料として、ハロゲンとエステルに挟まれた位置での脱プロトンと引き続くチオ化、さらに、酸を用いる環化反応によって、対応するチオキサントン類を簡便合成できることを明らかにしました。中間体のアリールリチウムがハロゲンとエステルで安定化されているために、メチルエステルへの求核攻撃やハロゲンの脱離を伴うことなくチオ化できた点に驚かされたお仕事です。本手法は、以前に報告したC-Hボリル化→チオ化のコンボを使った合成法と相補的で、それぞれで異なる異性体を作り分けることができました。

私たちの研究成果が Organic & Biomolecular Chemistry 誌に掲載されました!
Multicomponent click assembly through 2-azidoacrylamides
having a nucleophilic amino group
H. Takemura, G. Orimoto, A. Kobayashi, T. Hosoya, S. Yoshida*
Org. Biomol. Chem. 2022, 20, 6007 (New Talent 2022 themed issue).
クリック反応の繰り返しによってシンプルな部品を自在に集積できる手法が求められています。これに対して、最近私たちは、2-アジドアクリル酸アミド類がコンパクトなプラットフォーム分子であることを見いだしました。今回私たちは、フリーのアミノ基を有する2-アジドアクリル酸アミド類の合成に成功し、有用な3分岐型プラットフォーム分子であることを明らかにしました。さらに、その誘導化によって、フッ化スルホニル基を配置した3分岐型プラットフォーム分子を開発し、CuAAC反応、チオール-エン反応、SuFEx反応による逐次分子連結にも成功しました。

私たちの研究成果が Chemiscal Communications 誌に掲載されました!
Hydride reduction of o-(fluorosilyl)benzodifluorides for subsequent C–F transformations
R. Idogawa, A. Kobayashi, Y. Kim, K. Shimomori,T. Hosoya, S. Yoshida*
Chem. Commun. 2022, 58, 3521.
高度に官能基化された有機フッ素化合物を簡便合成できる手法に注目が集まっています。これに対して、これまでに私たちは、トリフルオロメチル基の変換によってジフルオロメチレン類を合成する手法を開発してきました。今回私たちは、フルオロシランのヒドリド還元が炭素ーフッ素結合を損なわずに進行し、生じたヒドロシリル基によって再び炭素ーフッ素結合を変換できることを明らかにしました。さらに、本手法を経て、フルオロブタジエン類の合成にも成功しました。

私たちの研究成果が SYNTHESIS 誌に掲載されました!
Synthesis of Multisubstituted Benzenes from Phenols via Multisubstituted Benzynes
A. Nagai, A. Kobayashi, Y. Sakata, Y. Minami,
K. Uchida, T. Hosoya, S. Yoshida*
Synthesis. 2022, 54, 5017.
ベンゼン環上の置換基が全て異なるような分子は、現代の有機合成化学でもアプローチしにくい化合物群です。これに対して、私たちは、スルホキシド部位を有するアライン前駆体の特性を利用することで、多置換ベンゼンを容易に合成できる手法を開発しました。本手法では、シンプルなフェノールを出発原料として、形式的なC–Hチオ化やスルホキシドを配向基とするC–Hマグネシオ化を経る置換基と導入と、多数の官能基を有するアラインを経て、多種多様なベンゼン類を合成できる点が特徴です。
本論文は、吉田がゲストエディターを務めるSpecial Topic "Aryne Chemistry in Synthesis"に収載されます。


私たちの研究成果が
Bulletin of the Chemical Society of Japan誌に掲載されました!
Pyridazine Synthesis from 1,2,4,5-Tetrazines and Alkynes in 1,1,1,3,3,3-Hexafluoro-2-propanol through the Inverse Electron Demand Diels–Alder Reaction
C. Yamamoto, M. Suzuki, S. Yoshida*
Bull. Chem. Soc. Jpn. 2022, in press.
テトラジン類を用いたアルキンとの反応は歴史ある反応ではありますが、効率的な反応条件の探索などについての研究例は乏しく、基質一般性もほとんど明らかにされていませんでした。これに対して、今回私たちはテトラジンとアルキンとの反応が1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HIFP)を溶媒として用いることで効率的かつ高選択的に進行することを明らかにしました。本研究の基質一般性は広く、多彩なピリダジン類を合成できる手法です。さらに、DFT計算を利用することで、Diels–Alder反応と脱窒素を経る機構を明らかにするとともに、選択性等の予測にも役立つことを明らかにできました。

吉田がいくつかの記事を執筆しました。
有機合成化学協会誌 2022年11月号 p 898~
「ヒドロシランの活性化を利用した芳香族トリフルオロメチル基の選択的変換」
月刊「化学」2022年8月号 pp. 70–71【最新のトピックス】
「丈夫な結合をそっと変換する手法 −芳香族トリフルオロメチル基の選択的変換」
月刊「化学」2022年12月号 pp. 20–23【2022年ノーベル賞を読み解く】
「生体内で狙った分子だけを反応させる –生体直交化学とクリックケミストリーのめぐりあい」
「科学と工業」11月号(大阪工研協会)
「クリック反応を制御する新手法の開発」
私たちの研究成果が RSC Advances 誌に掲載されました!
Synthesis of benzo[b]furans from alkynyl sulfoxides and phenols by the interrupted Pummerer reaction
A. Kobayashi, T. Matsuzawa, T. Hosoya, S. Yoshida*
RSC Adv. 2023, 13, 839.
アルキニルスルホキシドのPummerer型反応は未開拓な変換です。これに対して、今回私たちはアルキニルスルホキシドとフェノール類に対して、トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)を作用させると、2位にチオ基を有する広範なベンゾフラン類を簡便合成できることを見いだしました。本反応の官能基許容性は高く、さまざまな多置換ベンゾフランを効率的に合成できます。生成物中のチオ基を足がかりとして、多彩なベンゾフラン類を合成できることから、生物活性化合物や有機材料等の開発に本手法が役立つと期待しています。

2023/3/22~25に開催される日本化学会第103春季年会 (2023)において
吉田研の学生たちの研究成果について14件の口頭発表をします。
是非、足を運んで頂けますと幸いです!!
私たちの研究成果が Synlett 誌に採択されました!
Migrative Thioamination of Aryne Intermediates Generated from o-Iodoaryl Triflates
S. Tabata, M. Minoshima, A. Kobayashi, T. Hosoya,
S. Yoshida*
Synlett 2023, in press.
アミノ基を有するジアリールスルフィド類は、生物活性化合物等として重要な化合物群です。これに対して、今回私たちはo-ヨードアリールトリフラート類をアライン前駆体として用いて、多彩なスルフィルイミンとの転位を伴ったチオアミノ化反応が進行することを明らかにしました。このとき、ヒドロシランとフッ化セシウムを活性化剤として用いたアライン発生法が効果的でした。本反応を利用することで、環拡大による中員環化合物合成にも成功しています。o-ヨードアリールトリフラート類が合成しやすいアライン前駆体であることから、本反応が広範なジアリールスルフィド合成に役立つと期待されます。

私たちの研究成果が The Chemical Record 誌に採択されました!
C−F Transformations of Benzotrifluorides by the Activation of ortho‐Hydrosilyl Group
S. Yoshida*
Chem. Rec. 2023, in press.
オルト位に配置したヒドロシリル基の活性化を利用したトリフルオロメチル基の選択的変換に関するPersonal Accountです。有機フッ素化学に関する特集号において招待して頂き、フルオロ基を残したC–F変換に関するこれまでの研究成果について執筆いたしました。
